漢方の診察
漢方が成立した時代には現在の検査機器は発達していませんでした。そのため、漢方医学による診察は、すべての五感を駆使することによって診断を行っていました。漢方独特の診察方法は四診といわれます。
【望診】
視覚を用いた診察(顔色、皮膚の色の他、舌の様子を見る舌診も含まれます)。
【聞診】
聴覚と嗅覚を用いた診察(声の大きさ、においをもとに診察します)。
【問診】
現病歴や既往歴だけでなく、患者の体質傾向(寒がり・暑がりなども)を聞き出すための質問をします。
【切診】
触覚を用いた診察。脈やお腹に触れ抵抗感や圧痛の有無などで判断します。
日本においては、東洋医学学会認定の漢方専門医は西洋医学をきちんと学んだ上に、漢方治療を行っていますので、西洋医学的診断治療と漢方医学的診断治療を平行して行うことが可能です。そのため、聴診器、血圧計の他、様々な画像診断、血液検査ももちろん行います。
漢方医学の特徴をあらわす言葉として「心身一如」があります。デカルト以来、西洋医学は心と体は別のモノであるという要素還元的考え方に基づき発達してきました。それに対し、漢方医学では、心と体はお互いに強く影響し合うという「心身一如」という考え方に基づいた治療体系となっています。漢方医学の解剖生理学の中にある五臓の機能として、物質的な側面だけでなく、精神的な部分の機能もそれぞれの五臓がコントロールしているという立場をとります。
西洋医学でも物質的な要素だけでなく、現代において精神的な要素を含んだストレスが重視されるようになり、その点では漢方に近づきつつあります。日本では、漢方薬は主に草根木皮という天然物を『傷寒雑病論』などの古典に定められている生薬の種類や量を参考として組み合わせた漢方薬を用いています。現在の医療現場では、煎じられて出来た漢方薬をエキス化した漢方エキス製剤が用いられます。なお、エキス剤だけでなく煎じ薬も健康保険が適応となります。
鍼灸治療は、髪の毛よりもさらに細い鍼をツボに刺入する鍼治療や半米粒大のもぐさを燃やした熱を用いたお灸の施術があります。小児の場合は鍼を刺さずに皮膚をこすったりたたいたりする方法もあります。
漢方薬は主に草根木皮という天然物を『傷寒雑病論』などの古典に定められている生薬の種類や量を参考として組み合わせた漢方薬を用いています。現在の医療現場では、煎じられて出来た漢方薬をエキス化した漢方エキス製剤が用いられます。なお、エキス剤だけでなく煎じ薬も健康保険が適応となります。
日本において漢方薬の剤形
- 煎じ薬
- エキス顆粒
- 錠剤
中国・台湾・韓国・インドetc
漢方薬の素材
漢方薬は主に草根木皮という天然物
動物生薬 虎骨 オオトカゲの素焼き蛇の素焼き
鉱物蛇 竜骨 真珠